ぼくたちは難しい子育てなの?

発達障害兄弟の育児記録。名称等は全て架空のものです。

キャパオーバー

 

A太の担任のI子先生からお声掛けがあった。

「最近、A太くんが

お友達を殴ったり蹴ったり足をつかんだりするのですが

おうちではいかがでしょうか?」

 

「先週はパパが送り迎えをしていたので

 「行きたくない」を言わなかったんです。

今週からは、パパじゃないので荒れ気味です。

昨日は「行きたくない」と自転車置き場で

渋っていたのですが、それを見かねた先生が

教室まで連れてってくれました。」

 

I子先生

「もう一人の担任のM子先生には叩いたりするが

I子先生にはそういうことはしない。

人を見分けていますよね。」

 

「私の言うことは聞いてもらえなくて

何が嫌なの?と聞いたら、昨日は「B太がいや」と言っていました。

弟のB太のイヤイヤ期で手がかかるので

ストレスが溜まっているのかもしれません。」

 

I子先生

「そうだったんですね。すっきりしました。

お母さんとA太君の二人の時間をとれるといいですね。

寝る前に本を読んだり」

 

A太のほうが先に寝ますね。」

 

ハハハ。

 

ーーーーーー

手紙を書くのをやめてしまってから

園との情報交換ができていなかった。

私の気分だけでそれを怠るのは間違いだったと

気づいた時にはもう手遅れだった。

 

私が支援先を探して動き回っている間

A太は大荒れしていた。

 

保育園にも行きたがらないが

家にいるのも不満だらけ、

どこにいても不満が爆発していた。

 

注意をするとキレる。

所かまわずキレる。

家の中でも外でも。

悪さが止まらなかった。

 

勝手に他の人の家の敷地内に入ったり、

自転車やバイクを触って、設定を変更したり

お店に行くと走り回りかくれんぼが始まる。

彼のやることは、子供のいたずらでは済まされない。

大人で言えば、不法侵入、器物損壊、営業妨害…

わからなくてやってるわけではない、故意だ。

 

知ってる人、知らない人、お店の人…

私は毎日、誰かに怒られて

私は毎日、誰かに謝った。

いつからか前を向いて歩けなくなった。

いつも誰かに怒られるような気がして

生きてるのが怖くて仕方なかった。

 

A太と一緒にいるのが辛くて辛くて

一秒でも離れたかった。

 

A太が突然、家から飛び出して、行方不明になることが増えた。

玄関も窓も勝手口も、すべて自分で開けられる。

いろいろ手を尽くしたが、彼には通用しなかった。

 

B太を連れて探しにいくのは、簡単ではなかった。

もうそのまま、どこかへ行ってしまえばいいのにって思っていた。

私じゃない誰かに育てられた方がこの子は幸せなはず

本気でそう思い込んでいた。