ぼくたちは難しい子育てなの?

発達障害兄弟の育児記録。名称等は全て架空のものです。

息子の笑顔が怖い

寝る前にA太に「保育園は楽しかった?」と聞くと

「とっても楽しかった!」と返ってきた。

 

何が楽しかったか聞くと

ビー玉転がしが楽しかったと言う。

A太は久々にニコニコ話してくれた。

 

子供が保育園を楽しんでくれることは

嬉しいことのはずなのに

嬉しいというより

正直、驚きの方が大きかった。

どうしたんだろうって思った。

 

子供が笑顔で楽しかったと話しているのに

母親も笑わないわけにもいかないので

「よかったね、ママもうれしいよ」と答えた。

 

息子の笑顔が怖かった。

 

悪いことをしていると

ニシシと笑う

その不敵な笑みが

私は怖かった

 

笑わなくてもいいのにって

心では思っていた

ひどい母親だ。

 

 

保育園でポイントカードを作ってくれることになった。

家でもやり始めていて、A太も興味を持って取り組んでいた。

「どんな風にしましょうか」と先生が聞いてくれて

私がちゃんと考えなきゃいけないんだけど

正直、園のことまで頭がまわらなかった。

 

A太に「どうする?」と聞いたら

首をかしげてよくわかっていない様子だった。

「そうだよね、わからないよね。先生におまかせしようか。」

A太とそう話して、

先生に、お任せしますと伝えた。

 

A太は保育園でのことを話さない。

今日はなにしてあそんだの?

お昼はなにをたべたの?

楽しかった?

何を聞いても「わからない」と答える。

彼の少ない言葉と、表情が全て。

園での様子は先生から聞いた情報しかわからない。

 

彼がどんな気持ちで過ごしているのか

どうしたいかを察することができなかった。

そういうことは話したくないんだと思っていた。

 

話さないからわからなくてしょうがない

私にはどうにもできないと思っていた。

 

知ろうともせず

あきらめていた。

 

知るのが怖かったのかもしれない。

だから、彼の笑顔も怖くて

その理由も知りたくなかった。

 

私は彼から逃げていた。